対馬クワガタ採集記 〜日本最大のツシマヒラタを求めて〜
皆さんこんにちは
筆者のSHINです
今年から比較的ホワイトな部署に異動する事ができたので、夏休を取得してフォロワーさんと4泊5日の対馬の旅に行ってきました。
皆さんは日本の野生で1番大きなクワガタは何かご存知ですか?
オオクワガタ?
確かにブリードであればオオクワガタが最大(94㎜)ですが、野生での最大種はツシマヒラタ(84㎜)です。
これがどれくらい大きいかピンと来ない人は、今まで見た中で1番大きなノコギリクワガタを思い浮かべてください。多分60㎜あるかないかだと思います。
日本のパラワンオオヒラタと言われているツシマヒラタ
今回は70㎜オーバーの採集を目標にしました。
果たして目標は達成できるのでしょうか?
1日目
行きの飛行機の中でちいかわが見れたのでウキウキだった。
対馬空港に到着
ツシマヤマネコの目撃情報の看板がありました。
残念ながらツシマヒラタの目撃情報はない笑
レンタカーを借りていざツシマヒラタ探しの旅へ
事前に調べた情報で、対馬ではツシマヒラタが1番数が多くて、ノコギリクワガタの方が珍しい。
また、70㎜以上は難しいが、65㎜までの個体ならそれなりにいる。
なんて言われてたので正直ツシマヒラタは簡単に取れると思っていた。
しかし現実はそんな甘くなかった。
そもそもクヌギの木が根本的に少ない。
クヌギがあっても樹液が全く出てない。
なんて場所しかなく、ツシマヒラタどころかカナブンすら見つからなかった。
フォロワーさんがツシマヒラタの他にもマニアックな昆虫を探していたので、対馬固有種であるヒメダイコクコガネを見つけたら喜んでくれた。
彼はテンション上がっただろうが私はツシマヒラタを探しに来たのだ。これでは帰れない。
特に事前調査で1番期待していた場所が全くのハズレだったので心は折れかけてた。
そんな中ようやく樹液が出ている木を発見。
小さなカブトムシを見つけた。
そこでフォロワーさんがツシマヒラタを見つけた。
小型ではあるが初のツシマヒラタを発見してテンションがようやく上がってきた。
しかしこの日これ以外にツシマヒラタを見つける事はできなかった。
ヤモリいた。
2日目
早朝に目が覚めたので相方を起こして昨日のポイントに向かった。
残念ながらツシマヒラタは新たに見つけることはできなかった。
明るくなってきたので新規ポイントを探すことにした。
とある動画で見覚えのある様な場所を発見した。
そこで大量のノコギリクワガタを見つけた。
おい、ツシマヒラタより珍しいんじゃないのかよ。
いや、ノコギリクワガタは大好きだよ。
でもさぁ、地元でいっぱい取れるんだわ。
わざわざ本土から対馬までノコギリ採りに来たんじゃないんだわ。
そしたら相方がウロの中にツシマヒラタを発見。
形もツシマヒラタらしいフォルムをしていた。
サイズはこれでも59㎜
このサイズできちんとツシマヒラタの形してるんだから大型個体はどうなるのか楽しみである。
穴子のお刺身というのを初めて食べたがとても美味しかった。
3日目
早朝に相方を叩き起こして昨日見つけたポイントへ。
残念ながらノコギリとコクワしかいなかった。
事前に行こうと計画したポイントに限界を感じてきたため思い切って遠出して新たなポイントを探すことにした。
片道2時間半とか正気の沙汰じゃない。
しかし目標とするツシマヒラタのためには背に腹はかえられぬ。
運転しながら私が新たなポイントを見つけて探し始めると早速相方が大きめのツシマヒラタを発見
62㎜、ようやく大きめの個体にも巡り会えた
なお、ここでは軽くハプニングが起きており、私は危うく1㎝くらいの巨大なマダニに噛まれかけた。
私は巨大サイズのマダニを見にきたのではない。
巨大サイズのクワガタを見つけに来たのだ。
(ちなみに相方は小さいけどマダニに噛まれてました笑)
またもや私が対馬の固有種であるカブリモドキ(マイマイカブリの仲間)を発見。
相方は凄く喜んでいた。
彼はテンション(略)
そして凄い事に相方がチョウセンヒラタのメスと思われる個体を発見した。
チョウセンヒラタは小型の種類ではあるが、レア度に関してはツシマヒラタよりも遥かに上。
しかし相方がそんなレア個体を小型のツシマヒラタと思い逃がそうとしたので慌てて止めた。
チョウセンヒラタ雌と思われる個体
別のポイントを探しに対馬のあちこちを運転していたところ、ここで転機が訪れた。
運転しながら私がポイントを発見(ここ重要!)
そこで御神木と言えるべきクヌギを発見。
木の周りにはツシマヒラタの死骸がたくさん落ちている。
そこをふと見上げたら60㎜のツシマヒラタを見つけた。
ようやく自分も大きめの個体を捕まえて満足してたら更なる奇跡が訪れた。
御神木の更に上の方にウロがあり、そこに大きなツシマヒラタが覗いていたのだ。
私の持ってきた網と相方の持ってきた引っ掻き棒を組み合わせ、相方が棒を操作し、私が明かりを照らした。
激闘30分、とうとうそのクワガタを捕獲することができた。
持った瞬間ずしりと重く、今までの個体とは比較にならなかった。
サイズを計測するとなんと72㎜。間違いなく大型個体である。
話し合いの結果、この個体は相方が持って帰る事となったが、ウロの中には複数のメスが残っていたので新たな雄が来る事を祈りその場を後にした。
4日目
この日は今までの集大成として、見つけたポイントを全て回ってきた。
また、回るべきポイントを全て押さえているので昼飯にも余裕が出来たので、この日は昼に寿司を食べた。
そして御神木に訪れた。
なんとまた大型個体が覗いている。
昨日の個体よりも奥深くに潜り込まれたので、捕獲には時間がかかってしまったが、1時間の激闘の末なんとか捕獲できた。
サイズはなんと70㎜
連日こんな大型個体を取れるとは夢にも思わなかった。
夕飯は海鮮丼
5日目
5日目はお土産や帰りの飛行機とかもあるので採集は御神木だけに絞った。
そしたらなんと中型ではあるがまた雄がいたのだ。
この個体は時間の関係上残念ながら捕獲できなかったが、本物の御神木を見つけた事は我々の財産となった。
そして昼飯
ここでとんだハプニングが起こった。
なんと楽しみにしてた店が臨時休業していたのだ。
これには計画が狂ってしまい私も気が狂いそうになった笑。
しかし他に美味しいステーキ屋に巡り会えたので結果OKだった。
レンタカーを返却
なんと受付の人が初日に対応してくれた人と同じ人で我々がクワガタ採集に来たことを覚えてくれていた。
採れましたか?と聞かれたので我々は自慢げに成果を披露したら、すごく驚いてくれた。
そして驚く事に我々と入れ違いで親子でツシマヒラタを採りに来ている家族がいるみたいだった。
レンタカーの店員さんがその人が帰ってきたら写真を見せたいというので我々も写真撮影を了承。
凄く盛り上がった。
また、ここのレンタカーは独自の観光ガイドを作っており、このガイドには本当に助けられた。
またクワガタを持って帰るケースを入れるために紙袋をいただきました。
この場を借りてお礼を申し上げたいです。
そしてこの旅の走行距離はなんと1133㎞
これを1人で運転したのだからかなり大変だった笑
これは東京から仙台を2往復できる距離らしい
そしてお土産の購入
ある2人の人物からお土産のリクエストがあり、それを探す。
1人は大学時代の後輩で、なんとそいつは俺が椎茸嫌いなのを知っているのに椎茸を頼んできた。
正直買って帰るもんかとは思ったが、可愛い後輩のために買って帰る事にした。
もう1人は職場の人で私が密かに思いを寄せている相手である。
その人からあるお菓子のリクエストを受け探したが、中々見つからない。最後の福岡空港でギリギリ見つけたので正直ツシマヒラタよりもこっちを見つける方が大変だったかもしれない笑
そして空港でも軽くハプニングが起きた。
行きは問題なかったのだが、帰りは採集道具の一部が手荷物検査で引っかかってしまった笑
今回の旅ではクワガタの他にも色んな生き物が見れました。
シカがとにかく大量にいたので正直運転の邪魔だった笑
30頭じゃたりないよな。
そしてイノシシも見ました。
親が2頭の子供を連れて歩いていた。
シカは車来たら逃げるのにイノシシは全く逃げない。
正直恐ろしかった。
猫もたくさん見ました。
対馬と言えばツシマヤマネコなので、もしかしたら一頭くらいツシマヤマネコだったんじゃないかと思ってます。
しかし対馬で1番多く見たのはクワガタでもシカでもなく、煽り運転である笑
自分も数台の車に煽られたが、対向車側もかなり多かった。
煽り運転が3台連続の煽り三兄弟や、5台以上の煽りドンダフルコンボがめちゃくちゃ見れた。
この島の人達(もしくは観光客)の民度はどうなってんや笑
なんやかんやで凄く楽しかったのでまた機会があれば行きたいです。
ちなみに食事について言及してない日はコンビニ飯です。3日目に至ってはドラッグストアがなかったら餓死してました笑
採集成果(持ち帰り)
60㎜雄と比較しても70㎜雄の大きさがよくわかる
ツシマヒラタ雄70㎜
ツシマヒラタ雄60㎜
ツシマヒラタ雄54㎜
ツシマヒラタ雌3頭(1頭は御神木にいたので大型個体の腹持ち)
ブリードでより大型個体を生み出したい。
しかし70㎜でもこんだけでかいのに80㎜ってどんな大きさなんだ?
ツシマヒラタもオオクワガタ並みに研究が進めば90㎜の個体とか出てくると思うし100とかも現れるんじゃないかと個人的には思っているので未来に期待したい。